ジャカルタ戦記

2005年8月23日~26日:ジャカルタ出張

 

目指せホテル編

ジャカルタでは空港からホテルには、ホテルに事前に手配を入れたタクシーに

乗るべし、とのこと。青だか白だかボディーのタクシー屋がひしめいてるが、

絶対に乗ってはいけない。ローカルでさえ避けるらしい。

乗っていいのは黒ボディーのシルバー・バードタクシーのみとのこと。

ところがどっこい、誰も迎えに来てないじゃない!? 最初の10分で20人の

怪しいタクシー・ポン引きが”ワラワラワラワラ”と寄ってきて、次の30分待ってる間に100人の

怪しいタクシー運ちゃんが”ワラワラワラワラワラワラワラ”。 ほかの乗降客はみんなそれぞれ足を見つけて

去っていき、あわれ自分ただ一人、路頭に迷う子羊状態。

もう覚悟を決めて、どれでもいいから乗っちまうか!というとき、ようやくホテルの

ボードを持った兄ちゃんが近づいてきて、そのボードにMr.Kanxxxとある。

・・・遅れてきたことをなじるより先、迷子が親にめぐり合った瞬間のなみだ目になってた自分が情けない。

ともあれ無事ホテルへ。

 

仕事編

私の仕事は某ITメーカーのマーケ。外資系でもともとキャリアは日本からスタートしてますが、いまはシンガポールにいますので、実はインドネシア出張なんてすぐそこだったりして。

さて、お客さんから直接話も聞きたいということで、セットしてもらったカスタマービジット先が、軍隊でした。

お会いするのは、なんたら軍のなんたらジェネラル。ん?ジェネラルだよおい!将軍かい! えらいんじゃん。こわいんじゃん。

とドキドキの訪問となった。

さてジェネラル、どんなコワモテやらとビビってたら、なんともなで肩のやさしそうな小父さんという感じで、軍服着てなきゃその辺の街でタバコ吸ってる職なしオヤジと見分けつかんだろうというくらい貧相。

部屋に招かれ、ソファーに腰をかけ、タバコを勧められ、冷蔵庫からポカリスエット出してくれて、いやまあこちらのジェネラルってのはなんて優しいの。

でもね。ジェネラルまで登りつめた方とうちの製品のお話なんてできませんよ。

彼が知ってるわけ無いじゃん!

どーしてこういうミーティングをセットしてしまうの?表敬訪問?・・・いらんって。。

結局、お客様の生の声を聞くのではなく、スマトラ沖地震は大変だったのね、と同情の涙を流し、アチェ州における日本からの支援に感謝され、ミーティングは円満に終わった。

 

ドライブ編

ジャカルタの渋滞は聞きしに勝るすさまじさである。

古い車種も多く、排ガスもひどい。環七以上の汚染状態だ。

当然みんなマニュアル車だけど、2速以上のギアは必要なかろう。

なにしろ数キロくらいの距離に1時間はかかるんだから。

で、ここはひとつ暇なんでジャカルタの景色を堪能しようと、外を見てると、

”ワラワラワラワラ”と黒っぽくて小汚い少年、おじさん、おばちゃんが寄ってくるではないか!

あぶないよ!車道だよ!ほら、車動いてんだから!と言っても聞きゃあしない。

新聞、水、花、お菓子、売るもんはいろいろだけど全部いらん。

なかには、手ぶらも多数いるんで、同僚に聞いてみると、ただのものもらいらしい。

あんまりかわいそうなんで、お金とか渡してあげるべきなのか、同僚に念押しで聞いてみると、絶対駄目!とのこと。なんでもみんな地方からジャカルタ目指して来た人たちで、ジャカルタに来れば職にありつけて、リッチに暮らせるだろー、とお気楽に来た人たちが、仕事も探さず、安易にものもらい乞食しているんだから金やっちゃあいけないんだとか。

で、よく見ると、道路の反対車線側の植え込みにも動かず立ってるものもらいがいて、

その4割くらいのひとが、片足無かったり、片腕無かったりのハンデキャップもってる人たちで、なんだか同僚の言葉もにわかには信じられず、複雑な思いで見つめる。

線路を渡ろうとしたとき、またしても衝撃が!

なんと、線路に覆いかぶさるように家が両脇から建ってるじゃないか。いや、家というよりはトタン板を組み合わせた立体物。・・電車は走ってる様子が無い。

家の周りには子供や大人がまたしても”ワラワラワラワラ”。う~ん。ジャカルタ・恐るべし。

夜のドライブもまた奥ゆかしい。ディナーのあと、例によって同僚は非常に親切で、

わざわざホテルまで送ってくれるという。幸い昼間の渋滞も少しは緩和されてることだろう。

駐車場から出ると、外はどしゃ降りの雨。嗚呼ぁ、ジャカルタも雨降るんだなあ。涼しくなっていいか、などと考えながらボーっとしてると、なんだか自分の目の前もボーっとしてる。

あれぇ?おかしいなあ。なんでぼやけてるんだろう?

あっ!ワイパー動いてない。『おい、ワイパーは?』 『・・・壊れてる』 『え?』 『動かない・・・』

でこのどしゃ降りの中、どーやって帰るの? 『大丈夫、大丈夫、気をつけて運転するから』

それからの1時間。無言。ときどき急ブレーキ。前はぼんやりかすみ、俺もこれまでかと2度目となる腹をくくる覚悟を決めた。しかし、同僚はなかなかのハンドルさばきで、遂に無事ホテルへ。

ちなみに同僚の家は市内から車で2時間はかかる郊外にあるという。

明日、こいつと会えるかなあ?

 

で、2019年3月。ひーさしぶりにジャカルタ出張。

え、いまは別の会社ですが、相変わらずITメーカー、ただし今は営業で、日本に住んでアジアぜんぶ見てます。

 

さて、14年も経てば発展途上だったジャカルタもずいぶん変わったろう。

まず、空港であらかじめ予約してなくても、安心のシルバータクシー黒塗りに乗れました。おまけに今はGrab(東南アジア版ウーバー)もあるし、もはや隔世の感がありますな。

 

今回は、ジャカルタにある弊社販売代理店様へ訪問。

打ち合わせもつつがなく終えて、ホテルへ帰るところ。実況しまーす。

 

代理店の車で、移動中。ホテルまで送ってくれるそうで、ありがたく。たとえ2kmの距離でも、そりゃ歩かないやな。

 

線路脇で子供がサッカーしてます。

線路逆側では、、もとい。線路上では

おばちゃん達が井戸端会議してます。このあたりは変わらんね~

16:30です。

渋滞しています。

どれくらい渋滞してるかというと、

10m進むのに5フンくらいかかります。

となりの車とのすき間、10cmもありません。クラクションが音楽がわりです。

となりにバスが並びました。ドアがありません。ドアにぶら下がるようにしてタバコをふかすオッさんがいます。

あぶないよー

あっ、落ちた!いや降りたのか。。。

バイクがうじゃうじゃいます。たいてい2ケツです。すき間さえあれば、ガンガン入ってきます。歩道も車道も関係ないです。車線?そんなものありません。不思議と誰もぶつかりません。並の運動神経じゃないです。

左に曲がるのですね?大外右端にいるのに左折するのですね?あ、突っ込むのですね?あ〜当たるっ!あ、当たらない。見事です。手品かと思いました。

 

ホテルにはいつ着くのかなぁ?

かれこれ40分たちました。

代理店の窓からホテル見えてたんだ。

近いんだ。

でも着かないんだ。

イライラは体に良くない。イライラしない!

見れば崩れ落ちそうな家とか商店がずーっとならんでて、閉まったシャッターに落書きがいっぱい。

ああ、みんな、やっぱりイライラしてんだよね。落書きなんぞしたくなるわな。

インドネシア語はわからんけど、気持ちはわかるよ。

セクシー姉ちゃんの絵、うまいね。

英語でなんか書いてある。

Relax...