インドの山奥でんでんむし拾って食べちゃった
2005年 インドへの道
シンガポール移り住んでから初めてのインドへの出張。デリーの爆弾テロの記憶もまだ生々しい中、なぜか指名。
会社のほかのメンバーは先週、韓国行ったり、中国行ったりしてたからトラベル出来そうなのはおいらだけだってか?俺だって来週日本に行かなくちゃ行けないんですけど。
まあ、いいんだけどね。・・・インドかぁ、、、いろいろ噂は聞いてるよ。
いえいえ、インドがどうなのか知ることは大事ですよ。わかってますよそれくらい。
さて、フライトはSQ。インド行きだけあって超きれいなインド人スチュワーデスさんに迎えられて、なんだかインド的気分が盛り上がってきました。
おっと前の4席を陣取るのはシーク教徒家族か。。。どこでもその三角帽子かぶるのね。
あれま、子供までかぶせちゃって、頭かゆそ~
見渡せば、右も左も前もほとんどインド人(おいらは一番後ろさ)。
ん~!スパイシー!
夜便だから晩飯も出る。インド人向けだけあって、デフォルトメニューにベジタリアン用がある。
これは試すっきゃないでしょう。
ごはん。マッシュルームとカッテージチーズのカレー、なにやら赤いソースに漬かった漬物らしきもの、ヨーグルト、ナンより薄いチャパティーという小麦粉でできたパン。
さてひと口。ん?甘くない。塩味も無い。つまり味が無い!!!でも辛い。スパイスもいろいろ入ってる。
でも味がしなーい!これってなんか間違ってない?と思って周りを見ると、おお!みんな食っとるやんけ。それも手づかみで、ワシャワシャと。おい?うまいのか?これがか?フムフム。ヨーグルトもごはんのおかずなわけね。じゃあ混ぜて混ぜてっと。ん~・・・・ヨーグルトも無糖なのね。
結局味が無いのに変わらんやん!食えねー。駄目だー!
そういえば、この赤いのはきっと漬物だよな。どれどれ・・・かーれー!!!!しょっぺーー!!!!
やっぱり食えない。仕方が無い、空港で買ったピーナッツを友にしてビールで酔っ払って、あとは寝よう。
はて?となりの目つきの悪い老夫婦がなにやらわめーてるぞ?
『これはなんだ?肉じゃないのか?』って?
それはね、マッシュルームって言うんだよ。きのこの一種でね。きのこってわかる?肉じゃないよ。植物だよ。え?信じられないって?そんなこと言ってもねぇ。。。ベジタリアン食で、周りだってみんな食ってるじゃん。
嫌なら残せよ。おい。まだ絡むか?嗚呼スチュワーデスさん可哀相。。。えんえん、かれこれ20分は怒ってるよこのじじい。いいかげんうるせえんだよ。きのこだよきのこ!植物だよ植物!
なんで、こんなことで、そんなに粘れるかな?しかもおまえだけがわかってないんだって、お願い!気づけよじじい!
ビールも2本目、酔いも心地よく回ってきて、そろそろ寝に入るか・・・・
なんだよ?俺の左隣は空席だぜ?おい?なんで今頃こっちくる?やめてよ、ゆったり座ってたのに。
なーんで???家族4人で仲良く座ってりゃいいだろ!このくそシーク人。
なぜか前の席に陣取ってた家族が突然離散。母ちゃんは息子つれて窓際に空いていた2席へ、娘はこっちに。。。父ちゃんどうしてんのさ?三角帽子見えないけど・・・って横になってんじゃねーよ!
おまえは何様やねん。なんで人様の席に家族追いやって自分はのうのうと横になってんの?
かーっ!本人熟睡かよ。これがインド人の家族制度かよ。我が家の向かいもインド人家族だから亭主関白なのは知ってたけど、これってひどいんじゃない?
結局、寝れずじまいでデリー到着。
ふと見れば、スチュワーデス・スチュワートが機内にスプレーしてる。
あっ、そうか!ずっと同じ飯食って同じとこいると気づかないけど、臭いんだ。におうんだ。。。
ん~すぱいしいぃぃ。いんどぉ~!(はい、語尾は上げて発音してくださーい)
消臭してたのね。
鳥が羽ばたく、クラクションが鳴る、人々ががなり立てる。そう、ここはインド。
ここはインドネシアといっしょで、その辺のタクシーに乗りこんではいけない。
乗ったら最後、いつまでたっても目的地には着かず、またこの空港に戻ってくる羽目に会うらしい。
ホテルに予め頼んでおいたハイヤーを探して、ワラワラとした出口にて自分の名前を探す。
よかった。すぐに見つかった。おいらも学習能力ありますから、もうこんなところで泣いたりしないんだから。(ジャカルタ戦記参照)
そしてホテル到着。テロの後でさぞかし厳重な警備かと思えば、入り口の警備も適当で、誰でも入れるじゃん。夜も遅いし、ここはあとひと波乱、なんてとんでもない。寝ます。
翌朝はコンチネンタル・ブレックファストで、ひとまずカレー味から逃れる。
今日はきれいな朝焼けとともに起床し、昨日の飛行機のことやホテルまでの長く続いた渋滞の煩わしさも忘れて、インドを満喫すべくオフィスへと向かうのだった。
ホテルにはすでに会社が呼んでくれたタクシーが待っていて、そりゃあもう至れり尽くせり。
幸いオフィスまでは5分くらいと聞いてるから、これは楽勝・楽勝・・・・
なわきゃないか。。。。忘れてた、ここはインド。
5分経過、10分経過、30分経過、いくらなんでも遅すぎない?
街は渋滞の嵐。これは東南アジアでさんざん見てきてるから、ある程度覚悟してたけど。。
40分経過、1時間経過、1時間30分経過、、、、おかしい。この運ちゃんは本当にわかってるんだろうか?
だって5分だぜ!5分って言ったんだぜ!!
『あ・エクスキューズミ、ハウロングダズイットテイク トゥオフィス?』
『ドントウヲォーリ、ファイブミニッツ』
そうか~、、、そうだったのか、、、、おまえらのカルチャーによると、車に乗ったら最後、何時間かかろうと5分というのがならわしだったんだ! 先に言えよ先に。であとどれくらいかかるの?
って聞いたって5分なんだろ、5分。わかったよ。あと5分待ってやるよ。5分だな?
2時間後、いや5分後、やっと(いえ、もとい)少し長い5分でオフィスに着く。
お昼は北インドめし。タンドーリチキン、ナン、えびのカレー、豆カレー、チーズとほうれん草のカレー。
おいしいですよ。本当に。飛行機の機内食はなんだったのってくらい。
デザートはアイスクリーム。
『インドのアイスなんだ。是非トライしてくれ』という現地社員のお勧めに従って、ローカルアイスを食す。
・・・ご想像の通り!インドではアイスにもスパイスが入ってまーす。
ん~すぱいしいぃぃ。いんどぉ~!
インドの町の風景
車のシェアはスズキ50%(驚)、ヒューンダイ20%、TATAモーター(ローカル)20%、であとはその他。
ここでは、看板は傾いているもの。車はへこんでいるもの、である。
車の芳香剤は、ポピー。くぅるまにポピー・ポピー・ポピー!オール阪神談。
テロなんて、気にしない。だってどうせ毎日が命がけ。横断歩道なんて無い。信号なんて無視。歩くひともバイクもチャリも、車とみんな勝負してるんだから。
中略
さて、全ての日程を終え、帰途に着く。
いろいろあったが、インドという国は思っていたより、まともであった。
何がまともかというと、商売上においては、モラルもあるし、教育水準も高い。
言ってることに無茶はない。
インフラはもちろんまだまだこれからだが、中国に比べると英語が話せる&モラルがあるぶんだけ優位にある気がする。
今後、あなどれまじ。インド。
万感の思いを経てシンガポールに着く。
確かにカレーはおいしかったが、当分見たくないな。。。
帰りの機内食までカレーだったしな。
まずは家に帰り着き、シャワーを。。。
服を脱いだ途端に気づく。
すでに自分の体臭がカレー味。
恐るべし!インド。スパイシー・インド。
さあ、みんなごいっしょに、
ん~すぱいしいぃぃ。いんどぉ~!
2019年追記
もっとインドは発展すると思ったんだけどなぁ。中国よりそのスピード速いと思ったんだけどなぁ。。。どうやら優秀な人はみんな海外出ちゃってるのかな。でもまた戻ってきてるって話も聞くし。がんばれよ~。おまえら基本頭いいしなー。
でもカレー以外も食えよー。会議室でにおうぜぇ!
中国のおもひでぽろぽろ
アジアナンバーワンのGDP。世界第2位の経済大国。中国です。
当然、仕事上、最重要国となります。なので頻繁に行くことになります。
行けば行くほど何かが起きる。中国です。
タクシー
忘れもしない、上海空港着いた時のこと。いつもはあらかじめ黒塗りのハイヤー頼んでおくので、安心して空港からホテルまで移動するんだけど、その日はたまたま、なのかうっかりなのか予約してなかった。
でもまあ、タクシー普通に乗ったからって、上海ならどっか人里離れた山林に連れてかれてホールドアップ、なんてことは無いよな、と普通に並んでタクシー乗り場で調達。もう夜中だし、道もさすがに空いてんだろ。
運転多少粗いのは、ご愛敬、もしぼったくられても中国元なら大したことなかろうと思いながら乗り込む。
さて、トランク空けて~、なんだお前降りてこないんかよ?客に荷物入れさすか!?
まあしゃーない・・・
って、スペースねぇ~じゃねえか!つたく!てなわけで後部座席に一緒に積み込んで、出発。
そう。多少運転粗くてもね。多少ならね。
てめぇ~、160キロで飛ばすんじゃねぇ!!
あぶねー、怖ぇ~、んがぁ~、どぅぁ~~っと、やーめーてー!!!
英語も日本語も通じない。中国語わからない。でも止めなきゃ、俺が死ぬ。ストーップ!止まれ!スローダウンだよ! こら聞いてんのか!あ~?じゃねぇよ。おねがいだから!!
おお!高速降りた、ん?なんかおかしい?車がカスカスって変な音してる。何、エンスト? わかった、ガス欠か! そんな運転したあげくガス欠かい!ってじゃあ俺はどうすりゃいいんだ?
運ちゃん、なにやらチュンチュンチャンチャン叫んでるけど、何言ってるかもちろんわからん。
こりゃ参ったな。。運ちゃん車降りちまった。どこ行こうってんの?手振って、あ、別のタクシー拾ってんだ。なんか話してんなあ、指さして、そっちに乗り換えろってか。。。
しょうがないのはわかる。他のタクシー捕まえてくれたのも偉いと思う。ここは感謝すべきなんだろうか?
いや違う!160キロで事故すれすれの運転で俺の神経思いっきり消耗させて、その挙句ガス欠でタクシー乗り換えって、全部お前が悪い!
え?金払えって?この野郎、こんな運転して、こんな目に合わせて、でも金はよこせだぁ?ふざけんな!!
と日本語では言ってみた。通じない。通じるわけないわな。ごめん。俺疲れてんだよ。はやくホテル着きたい。
もういいよ、払うよ。いくら?え?メータータクシーだろ?表示してる金払えばいいんだろ?
え?何言ってるかわからんって。紙に書いて?はぁ?100元っておまえメーターの何倍ぼったくろーっての?
やだよ!メーター分しか払わんよ。ほら、これ。あ~?文句言うんじゃねぇよ、正規運賃だろが!
またチュンチュンチャンチャン叫んでるし。あ~~めんどくさ。わかったよ、払ったろ。お前とは早くお別れしたい!今すぐ!!!!
なわけで2台目のタクシー。時速40キロ。・・・極端だな~、遅!何時着くことやら。どうなのよこれ。
飲み会
中国の代理店さんは必ず歓迎会を催してくれます。ありがたい話です。
中国の飲み会、ご存知ですか?結構有名ですよね? 小さな小さなワイングラスのミニチュアのようなグラスに白酒というものすごい強い酒入れてイッキ大会。イッキなんて日本じゃもうアホな大学生の新歓コンパか銀座でおっさん達が泡入れてやってるくらいだと思うんだけど、中国ではごくごく普通に、ビジネス会食にはつきものです。
いつも代理店の社長さんが音頭をとって、そこの営業10人くらい引き連れて、まずは高級中華料理屋さんです。
そりゃ一日中、喧々諤々、ビジネスの話してたわけですからお互い疲れてるし、おなかも減ってますわな。
まずは腹を満たして、ね。
大きな丸テーブルに、前菜が運ばれてきます。乾杯はビールですか。あの部屋の隅にあるのは何でしょう?
赤ワインですよね。へぇ~持ち込みなんだ。面白いね。でその横の木箱は何?なんか高級そう。
あ、あれが白酒ね。なるほど。。。ってその赤もう開けるの? おやおや店員がノミと金づち持ち出して、あらあらその木箱、そうやって開けるんだ。つまり酒という酒ぜんぶ一度に開けちまうのね。。。
あー!でもって全部サーブしてくれるのね。どれ飲んでもいいですよってか?さーすが!この社長太っ腹!
料理もあとからあとから来るわ来るわ、もうテーブル載せきらない。誰がこんなに食うんでしょうか?
まずは社長とビールで乾杯。“かんぱい”じゃなくて“かんぺい”。飲み干せ。ボトムズアップ。そうイッキ大会の始まりでした。まだろくに食ってないのに。。。
ふっと気付けば、営業さんたちがそれぞれ好きな酒もって俺の後ろに並んでる・・・ってーことは・・・
ビール➡ビール➡白酒➡ワイン➡白酒➡ビール➡白酒➡白酒➡白酒➡ワイン➡ビール➡ワイン➡ワイン➡ビール➡トイレ➡ビール➡ワイン➡白酒➡白酒➡トイレ➡ワイン➡ワイン➡ビール➡トイレ➡トイレ
記憶が飛んだのはいつ頃だったかな?トイレこもったのはこのレストランだったのかな?買ったばかりの黒の革靴、なにやら汚れまくってますな。
ふっと気付けば、ソファーにいます。社長が中国語の歌うたってる。歌ってるというよりがなってる。
叫んでる。画面に映る歌詞見ると、『王』という字や『覇』という字がたくさん。映像では戦いに勝った王様が雄叫び上げてるような絵が。。。中国らしい。上手に歌おうとかじゃない。俺様が社長だぜ。これからもっとビッグになるぜ、って主張してるような感じ。日本における謙虚なんて態度ではこの国ではやっていけないんだろうなあ。
こういう瞬間でも、そんな中国の勢いみないなものとか、大陸的な大胆さ、図太さ、これからなんだ!っていう夢をみんなが持ってるような、そんなものか感じられるのです。
でもね。。。また俺の前にグラス持った輩がニコニコしながら並びだした。
ちょっと減ってるのは女性の営業さんがいないからか。どうやらいわゆるKTVにいるらしい。左右に綺麗なホステスさんいらっしゃるし。そりゃ女性社員にはご遠慮してもらったんだろうな。
俺も遠慮したかったなあ~。でも主賓だしな~。俺の肝臓大丈夫かな?トイレは何処?先確認しとかなきゃ。あ~はいはい。乾杯。乾杯。
ビール➡ビール➡白酒➡ワイン➡白酒➡ビール➡白酒➡白酒➡白酒➡ワイン➡ビール➡ワイン➡ワイン➡ビール➡トイレ➡ビール➡ワイン➡白酒➡白酒➡トイレ➡ワイン➡ワイン➡ビール➡トイレ➡トイレ➡トイレ➡トイレ
新婚旅行はエジプトさ!
まだ行ったことのない世界に行ってみたくて新婚旅行はエジプトに決定。時は1997年11月。当時シンガポールに住んでて、その頃はシンガポールからのツアー旅行は日本より全然安かったなぁ。
懐かしついでの思い出語り。
カイロのホテルにまずは到着。空から見えたエジプトの街がまずすべてモノトーン、建物も砂漠も何もかもがモノトーンに覆われてた印象がある。何しろ色がない。少しは木も生えてただろうに緑の記憶もない。
でも平気。新婚は七色に輝いているのさ!これから俺たちの波乱万丈の冒険の幕開けさ!
てなわけで、街探索。ホテルから徒歩圏内にあのツタンカーメンも秘蔵されている博物館があると聞いてフロントで場所聞いて出かけてみる。街には人も溢れてるけど、車が何しろすごい。車線お構いなしに隙間があれば突っ込む突っ込む。信号機は限りなく少なくて横断歩道も見当たらない。
博物館は目の前に見えてるんだが、道路が渡れない。渡ろうとするそばから車が勢いよく突っ込んでくる。
さてさて。。。おっ!そこの欧米人カップル、行ったか!うわっ、あっぷねー当たる当たる、ギリ!走れ!
走ったー渡り切ったー!思わず拍手。さて今度は俺たちの番だぜ。新妻の手をしっかり握り、さあ!あーーーっ!
っと戻れ。あぶない。ふぅ。。いやいや、ここは男見せないとでしょう。さあ!っと、っとっと、戻れ。いやあぶない。ふぅぅぅ。。。
いやホントですって。
あぶないんですよ。隙間なく突っ込みやがって。。よし、次行くよ。・・・いま!はい止まらない、行く!
ここも行く。かー、かすった。ブレーキ踏めよこら。あ~怖かった~。
たかがお向かいの博物館行くのに命がけ。エジプトは世界が違うわ。
チケット買うのに博物館前並びに行ったら、10人にひとりくらいは足びっこ引いてるか、腕三角巾で吊ってるし。
これって、、、そういうこと?
博物館広~。ってもまあ予想通り壁画だのミイラだの壺だの宝飾品だの石像だのがいっぱい。
数千年前だと思うと、そりゃ~すごいに違いない。あ凄い凄い。ツタンカーメンも人だかり。あ凄い凄い。
感動はするんだけど、とにかく広くて回ってるうちに喉かわくし、何見ても同じに見えてくるし、正直飽きる。
ものすごく価値のあるもの見せてもらってるのにねぇ。なんだろ。何か違うよね~というのは夫婦そろって同じ意見。
では場所変えよー!エジプト来たらピラミッドでしょ、やっぱり。
ホテル戻って、車チャーターして、ピラミッドツアーに!
殺風景なモノトーンの街をしばらく走ってくうちに、おーーーーー見えてきた。ピラミッドぉ。
でかいぞ。すんごいでっかいぞ。これが昔は燦然と輝いてたのか。
博物館の100倍感動。近づくにつれ、そのスケールに圧倒されまくり。まずピラミッドを俯瞰できる小高い丘へ。
そこでなにやら説明を受けるが、何言ってるかわからん。そのうちラクダに乗せられて、写真撮影。
いや俺らピラミッド見に来たんだから。スフィンクス見に来たんだから。ラクダ臭いし。ケツ痛いし。
え?金払え?あーーーマジ?やられた。そういうこと?ちくしょう、先言えよ!え?言った?わからんしぃ!!
やっとギザのピラミッドの下へ。へぇ!?マジでひとつの石で1m以上あるよ。こんなんどうやって積み上げるよ?
テレビでよく謎とき番組やるけど、これ、実際に見て思った。絶対無理。
宇宙人がどうのって、テレビでいう奴、アホが!とか思ってたけど、今なら信じる。これはヒトには無理な仕事です。
現代技術でも無理なんじゃない?
みんな登ってるよ。よし俺も登ってみよう。一段上がるのにも結構大変。せいのっと!数段登ったとこで警備員らしき人がマシンガンこっちに向けて、ストップストップとか言ってる。おい、よせ、銃を向けるな、汗が違うところから噴き出てきた。いま降りるから。まって、まって。。。
降りてから気付いた。金払えってね。ここもまたそういうことぉ?なーんか腹立つわ。怖かったけど腹立つわ。
銃向けられたのなんて生まれて初めてだけど、おしっこちびるくらい怖かったけど、でも腹立つわ。
なので、絶対払わない。登れなくたっていいもん。登りたくないもん。東京タワー登ったことあるもん。
筑波山登ったことあるもん。富士山だって5合目までは登ったもん!
悔しいから、登るんじゃなくて降りてやる。
そう。ピラミッドは中に入れるんだ。この穴はもともとある穴じゃなくて、盗掘した人たちが開けた穴だそうで。
狭い湿った穴(通路)を進んでいきます。ひとひとり通れるかくらいの穴です。ものすごいおしっこ臭がします。
まさか俺?いやいや、ちびりそうだったけどちびってないし。。。
奥には部屋のようなところに石でできた風呂おけのようなものが。いろんな説があるのだろうけど、断言します。ここはクフ王の墓ではなく、住居です。この石風呂がなによりの証拠です。砂漠の砂塵で砂まみれ。
どれだけこの風呂が重宝したことでしょう。
さあ!ピラミッド来たからにはスフィンクスにも行かなくちゃ。
ああ、ギザのピラミッドの裏手にあるの。だから見えなかったんか。
あ、先にカフラー王のピラミッド?いいよ、すぐ行こう、スフィンクス。あれ。なんか人や店いっぱいじゃないですか。
ガキがうようよ。知ってるよ。これが噂のバクシーシ隊ね。バクシーシって寄付だか喜捨って意味らしいけど、要は金くれ!と。ヤダよ。あーげない。付いてくんなー!うようようようよ。
バクシーシ攻撃はもうピラミッドの警備にしたって、土産物屋にしたって、道案内にしたって、らくだ乗りサービスにしたって、みーんなバクシーシバクシーシってすんごいんだから。全部がぜんぶあげてたら、そのうち俺らがバクシーシ!
て言わんならんやないか。みやげ屋では使えないボールペンとか展示会でもらったおみやげボールペンとか山ほど持ってきたおかげで、値引き交渉にかなり使わしてもらったけど、もう無いしな。ごめんな君ら、貧乏観光客なんよ、俺ら。
やー、スフィンクス。
これまた、でっけぇー!シンガポールのマーライオンがちゃんちゃらおかしいってなもんさ。
さすが本モノは違うね。こいつも昔は光り輝いてたんかね~。
このライオン君がツタンカーメンばりに黄金に輝いてたとこなんて、想像しても想像できない。
スケールが圧倒的過ぎ!エジプトすげぇぞ。これが数千年前にあったなんて。。。ドラえもん、連れてって。
日も暮れてきたのでこれまた圧倒的な夕日を見つつ、ホテルへ戻る。
なにげなくエレベータのボタン押し間違えて上階のPHに。押せてしまったのがそもそも間違いだと思うんだが、開いたとたん、黒くて迷彩着た人たちにマシンガン突き付けられて仰天!ひぇ~~~~ごめんなさい。
どなたかえらいさん泊ってるのね。押し間違いっすよ。そんな怖い顔しないで。ああまたちびりそうに。。。
んびっくりした~。あとでフロントに聞いたら“まいくるじゃーくそん”とか言うし。マジっすかそれ?
翌日からナイル川クルーズ&アブシンベルツアー。 いよいよセレブな感じかな?
ナイル川ったってこれもスケール感が。。。もう海。乗るのは優雅な大型クルーザー。個室だよ。
プールもあるぜ。飛び込んだら向こう側に頭ぶつけるぜ。
あ、でも優雅。風が気持ちいいです。カイロの喧噪と排ガスを思えば、これこそ望んでた新婚旅行ってやつさ。
ただし。。。暇だ。1時間たっても2時間たっても、4時間たっても、1日の終わりが来ても、、、ずぅ~っと
同じ風景。翌日もまた、同じ風景。
まったく別の意味で、スケールが違う。でかい。ひろい。こんな世界もあるんだね~
アブシンベル神殿までは車で1時間くらい。約100kmだそうだ。
ツアー客はわれわれのみ。若い運ちゃんは張り切りまくって、砂漠の一本道を時速100キロで飛ばす。
まさに砂漠の中の一本道。右見ても左見ても砂漠しかない。改めてまたスケールが違うぜ!と感動する。
しばらくすると、痛、ガツン!と揺れが。。どうやら一本道の舗装道路のところどころに穴があいてるらしい。
これパンクするぜ、下手すると。。。兄ちゃんそんな飛ばさんでも・・・と思うが、スローリィといってもニコニコして聞いちゃくれない。なんもない砂漠、ときどきボコッと衝撃。そんなドライブしてるうちになんだなんだあ?ボンネットから白い煙が・・そしてプスンプスンなぞとお約束のような音が・・・
車止まるぅ、はいエンストぉ、オーバーヒートぉ、ってシャレにならんぞおい。砂漠の真ん中。かれこれ30分くらい走ってきたけど、後ろからも、対向車にも一度もお目にかかってないしぃ。
マジぃ?とか言いながら、せっかくなので降りて砂漠のほうに歩いてみた。信じられない解放感。右も左も前も後ろも、ただただ砂漠。灼熱の炎天下砂漠で記念写真を夫婦で撮って。これも思い出さ。せっかくなので、記念の立ち●●●。。
最初は笑ってたけど、10分経ち、20分経ち、だんだん本気でやばい気がしてきた。
当時はまだガラケーの時代で、国際ローミングもしてなかったから、頼りはこの若い運ちゃんだけ。運ちゃん、電話する様子もなく(電話持っとらんのか?)たばこ吹かしてる。言葉通じないし、俺たちの運命は!!??
と、30分くらいたった時、後方から土煙が・・・車だ!助かる! よかったあ~、マジでよかった~。。。
来たのは警察のジープ。運ちゃんがなにやら説明してくれてます。ジープの後部座席乗れと。アブシンベルまで連れてってくれると。イエーイ!ありがとう!助かりました~。
フレンドリーなポリスマンでよかった。車も座席もさっきよりきれいだし・・・・と思いきや、なんと足元にマシンガンが。。。え~~いいの?こんなんで?暴発しない? なんか銃が当たり前の国、怖い。
もしかしたら弾は入ってないのかもしれないけど、でもね。。。日本やシンガポールじゃ考えられない。
民主主義、社会主義、共産主義、資本主義、国によっていろいろあるんだろうけど、やっぱり中東はまったく別世界なんだな。こういうのは何主義?軍事主義とかいうの?
そーしーてーアブシンベル。こうも巨大な石像?ラムセス2世?太陽神ラー? いいや、いま俺は確信した。
古代エジプトには巨人が住んでたんだ。みんな身長10m級の巨人が。だからピラミッドとか作れちゃうわけだ。
だからこの石像も実は等身大なのさ。ゆうたら地球に記念に残しときましたってこと。
そう、宇宙人で、みんな宇宙に帰っちまったのさ。たぶんその頃地球になんか変動があって、こらいかん!
てんで母星にもどちゃった。だって、昔はエジプトも緑の楽園だったらしいし。恐竜はその巨人らのペットや家畜だったはず。ん?時代違うって?いやいや数千年というのがきっと間違ってるんだって。きっと数万年の間違いよ。きっと。。。
アブシンベルも満喫して、そろそろ帰らなきゃというとき、ふと気づいた。帰りの足がない。
乗っけてくれた警察はいずこかへ消えてしまったし、俺らの運ちゃんは砂漠の真ん中、車と一緒に放置。
彼は今頃ひからびてミイラにでもなってるだろうか・・・
さてどうする?たくさんいた観光客もそれぞれなんだか帰途についてるようで、駐車場も閑散としてきた。
優雅な新婚旅行のはずが、なんともサバイバルな。。。
駐車場にはまだ何台か大型バスが残ってる。近づいてみると、ドイツからの団体さんのようだ。
おお!ドイツ人なら英語が通じる。ヘルプアス。助けて。乗っけて~。
親切なドイツ人団体さんのバスに乗せてもらい、帰路に就く。一本道なんだからみんなナイル川のほとりのクルーズ船に戻るんだろうし、これで安心。。。のはずが、バスがいきなり急ブレーキかけて止まった。
なになに?どうした?ざわつく車内。ドアも開いて、みなドヤドヤと降りてく。
何があったかわからないまま一緒について降りると、、目の前でパジェロがサカサマに。事故ったばかりか。
半開きのドアからなんと!血だらけの男女が這って出てきた。 こりゃたーいへん!
すぐみんなでそうっと抱きかかえて、バスに乗せた。
来るときも、そうそう。いたるとこに穴開いてたしなあ。しかしひっくり返るってのは、、、
などと思っているうちけが人も乗せてバスは出発。ドイツの人も、正体不明の日本人カップルは同乗してくるわ、事故ったアメリカ人カップル拾うわ、びっくりだろーなあ。。。
思い出したよ。カイロでなぜだか足引きずったり、腕吊ったりしてる人がやけにたくさんいたっけ。
道路渡るとき轢かれでもしたかと思ってたけど、こういうことだったんだ。。。
ドイツ人おじちゃんとそんな話をしつつ後部座席でタバコをふかしてたんだ。当時はまだどこでも吸えたね。
ただ、それにしちゃ、煙いし、白い。そして焼け付いたにおい。。。うわー、またオーバーヒートかい!!
今回はまずい。けが人いるんだから。早くもどらなきゃ。。。と言ってるそばから、あーあ、止まった。。。
さあ、どうする?でも今回は世界有数の優秀な民族たるドイツの方々がいらっしゃる。
みんなでペットボトルの水集めてる。おー!そうか!水でエンジン冷やそうってか。さずがです。
ちょうど外は日の暮れるところ。そう。ここは砂漠のど真ん中。遮るものは何もない。雲一つない。
こんな夕日は今まで見たことがない!でかい、そしてその大きな大きなオレンジの玉が、薄い青から群青色へと綺麗なグラデーションを描いた空のはしにゆっくりと落ちていく。ゆっくりとその周りもより濃いオレンジに
染めながら落ちていく。
夕日評論家としては、断言していい。これは世界一の夕日だ。人の影が黒いシルエットを作って。ああもうじき沈む。その一瞬が地平線に一本の赤い線を描いて。。。消えた。
さあ、帰ろう。母なるナイルへ。
いや帰れない。母なるナイルへ。。。。バスは動いたが、まず怪我人を病院に連れて行かなきゃ。
病院はナイル川を左に見て、そちらには曲がらず、反対の小高い丘へ向かったそのてっぺんにある白亜の建物でまさに、ここです!なロケーション。ケガしたアメリカ人カップルも無事病院へ収容し、さあやっと船に帰れる。なぜかわからないけど先に出航してないか?などとは心配すらしてなかった。
病院から戻る丘をゆっくり周回しながら降りていく途中、同席させてもらったドイツのおっちゃんが、叫ぶ。
アレを見ろ!手を振ってるぞ?なんだ? 振り向いてみると、おおおおお!!!あの若い兄ちゃん、俺らの運ちゃん!
なんと、追いかけてきてくれたのか!
ドライバーさん、降りまーす!迎えが来ました! みんなの拍手に応えながら、感謝に何度も頭を下げ、手を振ってお別れすると、若い兄ちゃんの復活した車へ。・・・よく見っけたよなぁ。いいやつだよなぁ。冒険だったよなぁ。
おまえさん、ミイラにならんでよかったなぁ。いや感謝感謝。
船でも俺たちの帰りを心配してくれていたらしい。あまりにいろいろありすぎて、つたない英語じゃ説明しきれん。
とにかく謝るだけ謝って、さあナイトクルーズだ!目指すはルクソール、王家の谷。冒険はまだまだ続くぜ!
翌朝、まだ朝霧も晴れない早朝にたたき起こされた。ロビーに集まれという。
てっきり王家の谷への出発かと思ったら、ガイドさんがなんか深刻な顔して、“今日は残念ながら王家の谷には行かれなくなりました。“と。 ”昨日王家の谷でテロがありました。その場にいた全員が殺されたそうです。“
ルクソール事件(ルクソールじけん)とは、エジプトの著名な観光地であるルクソールにおいて、1997年にイスラム原理主義過激派の「イスラム集団」が外国人観光客に対し行った無差別殺傷テロ事件。別名、エジプト外国人観光客襲撃事件。
1997年11月17日午前9時(現地時間)ごろ、ルクソールの王家の谷近くにある、ハトシェプスト女王葬祭殿の前にて、外国人観光客ら200名に向けて待ち伏せていた少なくとも6名(もっと多かったという証言もある)のテロリストが、守衛を襲撃した後、無差別に火器を乱射し弾薬がなくなると短剣で襲ったという。この襲撃でスイス人、ドイツ人、日本人(観光客9名、添乗員1名)ら観光客61名が殺害された。
新婚でしたから。若かったですから。その時思ったのは、お~あぶね~。24時間差のニアピン。でもセ~フ。
俺らは生きている。そしてエジプト旅行満喫中! なんと能天気な、、、と思われるでしょう。
はい。能天気でした。エジプトの熱に侵されてました。それでもすぐに気づいたのは、家に連絡しなくちゃ、でした。
すぐに岸に出て、事務所のようなところで電話を借りて、双方の両親と、シンガポールの会社の同僚に“大丈夫”コールしたのでした。我々は、船の中にいて、外界と隔絶してたのでどんなニュースになってるのかまったく知らなかったのですが、日本のニュースでは、日本人カップル(それも新婚らしい)犠牲者中、2組だか3組がまだ身元不明です。。。と繰り返されていたそうで。ちょうど俺らはシンガポールからのツアーで、日本の会社も使ってないし、不明と言われておかしくなかったんで、親も同僚も、24時間寝れるわけもなく、安否確認をし続けてくれてたそうで。俺の会社の同僚で親友のオランダ人なんか、泣きながら大使館やら外務省やら電話しまくってくれてたそうで。。。すまない。お、俺たちは、、、、、目いっぱい楽しんでる。。。
やっぱ、のーてんきだわ。
死ぬ前にもういちど、エジプト行きたいなぁ。。。
ジャカルタ戦記
2005年8月23日~26日:ジャカルタ出張
目指せホテル編
ジャカルタでは空港からホテルには、ホテルに事前に手配を入れたタクシーに
乗るべし、とのこと。青だか白だかボディーのタクシー屋がひしめいてるが、
絶対に乗ってはいけない。ローカルでさえ避けるらしい。
乗っていいのは黒ボディーのシルバー・バードタクシーのみとのこと。
ところがどっこい、誰も迎えに来てないじゃない!? 最初の10分で20人の
怪しいタクシー・ポン引きが”ワラワラワラワラ”と寄ってきて、次の30分待ってる間に100人の
怪しいタクシー運ちゃんが”ワラワラワラワラワラワラワラ”。 ほかの乗降客はみんなそれぞれ足を見つけて
去っていき、あわれ自分ただ一人、路頭に迷う子羊状態。
もう覚悟を決めて、どれでもいいから乗っちまうか!というとき、ようやくホテルの
ボードを持った兄ちゃんが近づいてきて、そのボードにMr.Kanxxxとある。
・・・遅れてきたことをなじるより先、迷子が親にめぐり合った瞬間のなみだ目になってた自分が情けない。
ともあれ無事ホテルへ。
仕事編
私の仕事は某ITメーカーのマーケ。外資系でもともとキャリアは日本からスタートしてますが、いまはシンガポールにいますので、実はインドネシア出張なんてすぐそこだったりして。
さて、お客さんから直接話も聞きたいということで、セットしてもらったカスタマービジット先が、軍隊でした。
お会いするのは、なんたら軍のなんたらジェネラル。ん?ジェネラルだよおい!将軍かい! えらいんじゃん。こわいんじゃん。
とドキドキの訪問となった。
さてジェネラル、どんなコワモテやらとビビってたら、なんともなで肩のやさしそうな小父さんという感じで、軍服着てなきゃその辺の街でタバコ吸ってる職なしオヤジと見分けつかんだろうというくらい貧相。
部屋に招かれ、ソファーに腰をかけ、タバコを勧められ、冷蔵庫からポカリスエット出してくれて、いやまあこちらのジェネラルってのはなんて優しいの。
でもね。ジェネラルまで登りつめた方とうちの製品のお話なんてできませんよ。
彼が知ってるわけ無いじゃん!
どーしてこういうミーティングをセットしてしまうの?表敬訪問?・・・いらんって。。
結局、お客様の生の声を聞くのではなく、スマトラ沖地震は大変だったのね、と同情の涙を流し、アチェ州における日本からの支援に感謝され、ミーティングは円満に終わった。
ドライブ編
ジャカルタの渋滞は聞きしに勝るすさまじさである。
古い車種も多く、排ガスもひどい。環七以上の汚染状態だ。
当然みんなマニュアル車だけど、2速以上のギアは必要なかろう。
なにしろ数キロくらいの距離に1時間はかかるんだから。
で、ここはひとつ暇なんでジャカルタの景色を堪能しようと、外を見てると、
”ワラワラワラワラ”と黒っぽくて小汚い少年、おじさん、おばちゃんが寄ってくるではないか!
あぶないよ!車道だよ!ほら、車動いてんだから!と言っても聞きゃあしない。
新聞、水、花、お菓子、売るもんはいろいろだけど全部いらん。
なかには、手ぶらも多数いるんで、同僚に聞いてみると、ただのものもらいらしい。
あんまりかわいそうなんで、お金とか渡してあげるべきなのか、同僚に念押しで聞いてみると、絶対駄目!とのこと。なんでもみんな地方からジャカルタ目指して来た人たちで、ジャカルタに来れば職にありつけて、リッチに暮らせるだろー、とお気楽に来た人たちが、仕事も探さず、安易にものもらい乞食しているんだから金やっちゃあいけないんだとか。
で、よく見ると、道路の反対車線側の植え込みにも動かず立ってるものもらいがいて、
その4割くらいのひとが、片足無かったり、片腕無かったりのハンデキャップもってる人たちで、なんだか同僚の言葉もにわかには信じられず、複雑な思いで見つめる。
線路を渡ろうとしたとき、またしても衝撃が!
なんと、線路に覆いかぶさるように家が両脇から建ってるじゃないか。いや、家というよりはトタン板を組み合わせた立体物。・・電車は走ってる様子が無い。
家の周りには子供や大人がまたしても”ワラワラワラワラ”。う~ん。ジャカルタ・恐るべし。
夜のドライブもまた奥ゆかしい。ディナーのあと、例によって同僚は非常に親切で、
わざわざホテルまで送ってくれるという。幸い昼間の渋滞も少しは緩和されてることだろう。
駐車場から出ると、外はどしゃ降りの雨。嗚呼ぁ、ジャカルタも雨降るんだなあ。涼しくなっていいか、などと考えながらボーっとしてると、なんだか自分の目の前もボーっとしてる。
あれぇ?おかしいなあ。なんでぼやけてるんだろう?
あっ!ワイパー動いてない。『おい、ワイパーは?』 『・・・壊れてる』 『え?』 『動かない・・・』
でこのどしゃ降りの中、どーやって帰るの? 『大丈夫、大丈夫、気をつけて運転するから』
それからの1時間。無言。ときどき急ブレーキ。前はぼんやりかすみ、俺もこれまでかと2度目となる腹をくくる覚悟を決めた。しかし、同僚はなかなかのハンドルさばきで、遂に無事ホテルへ。
ちなみに同僚の家は市内から車で2時間はかかる郊外にあるという。
明日、こいつと会えるかなあ?
で、2019年3月。ひーさしぶりにジャカルタ出張。
え、いまは別の会社ですが、相変わらずITメーカー、ただし今は営業で、日本に住んでアジアぜんぶ見てます。
さて、14年も経てば発展途上だったジャカルタもずいぶん変わったろう。
まず、空港であらかじめ予約してなくても、安心のシルバータクシー黒塗りに乗れました。おまけに今はGrab(東南アジア版ウーバー)もあるし、もはや隔世の感がありますな。
今回は、ジャカルタにある弊社販売代理店様へ訪問。
打ち合わせもつつがなく終えて、ホテルへ帰るところ。実況しまーす。
代理店の車で、移動中。ホテルまで送ってくれるそうで、ありがたく。たとえ2kmの距離でも、そりゃ歩かないやな。
線路脇で子供がサッカーしてます。
線路逆側では、、もとい。線路上では
おばちゃん達が井戸端会議してます。このあたりは変わらんね~
16:30です。
渋滞しています。
どれくらい渋滞してるかというと、
10m進むのに5フンくらいかかります。
となりの車とのすき間、10cmもありません。クラクションが音楽がわりです。
となりにバスが並びました。ドアがありません。ドアにぶら下がるようにしてタバコをふかすオッさんがいます。
あぶないよー
あっ、落ちた!いや降りたのか。。。
バイクがうじゃうじゃいます。たいてい2ケツです。すき間さえあれば、ガンガン入ってきます。歩道も車道も関係ないです。車線?そんなものありません。不思議と誰もぶつかりません。並の運動神経じゃないです。
左に曲がるのですね?大外右端にいるのに左折するのですね?あ、突っ込むのですね?あ〜当たるっ!あ、当たらない。見事です。手品かと思いました。
ホテルにはいつ着くのかなぁ?
かれこれ40分たちました。
代理店の窓からホテル見えてたんだ。
近いんだ。
でも着かないんだ。
イライラは体に良くない。イライラしない!
見れば崩れ落ちそうな家とか商店がずーっとならんでて、閉まったシャッターに落書きがいっぱい。
ああ、みんな、やっぱりイライラしてんだよね。落書きなんぞしたくなるわな。
インドネシア語はわからんけど、気持ちはわかるよ。
セクシー姉ちゃんの絵、うまいね。
英語でなんか書いてある。
Relax...
モルジブで生き物と戯れるそのひととき
モルジブは快晴です。
まぶしい!まぶしすぎる!!目を開けていられないほどのこの輝き!!!
ここはミール・アイランド。インド洋北マーレ環礁の一角。
モルジブでは1島1リゾートが基本。旅行代金には食事も含めた全ての旅行代金が
含まれてるのが普通です。食事は決められた席で決まったウェイターが付いて、ビュッフェ形式で頂きます。うちの席はビーチバンガローを望める奥から2番目の席。
ウェイターは眉毛の濃い、南国顔のおにいちゃん。
周りを見れば、お客はみ~んな西洋人。目の前の席にはフランス人っぽいジョバンニ夫妻(勝手に名づけました)
斜め前にはドイツ人ぽいスチンドラー夫妻(便宜上、いま名前つけました)
後ろにはゴッドファーザーでアルパチーノがシチリアに逃避してたとき結婚してたアポローニャそっくりの奥様、その後ろには、スペイン・情熱系美人。
今日は、その中でもジョバンニさんをご紹介しましょう。
ジョバンニ夫妻はとっても上品で、毎日毎回違う格好で登場します。だんなさんはロマンスグレーの長髪を軽く
後ろに流した鼻の高いハンサムさん。奥様はこれまたカトリーヌ・ドヌーブを思い出してしまうような麗人。
いつも姿勢がピンと伸びていて、着ている服も我々のようなカットオフ・ジーンズに色のすっかり抜けたよれよれのタンクトップ、、なんかじゃなくてきれーなパステルカラーの、プレスの効いたポロ&綿パンと奥様もひらひらが多目の、これまたきれーなパステルカラーのワンピースだったりするのです。世界が違います。オーラが違います。
でも、裸足。なぜか裸足。
いいのです。ここはモルジブ、ビーチリゾートなんですから。
食事の取り方もステキです。ビュッフェで好きなもの取り放題でも、どっかの日本人みたいにひとつの皿にこぼれ落ちんばかりになんでもかんでも載せてくるような不恰好なマネはしません。
ふたり仲良く、サラダで始まり、また仲良くメインコースを取りに行き、そしてまたふたり仲良くデザートを取りに行きます。
常にこのコースを守ります。都合3往復。さすがはおフランス仕込。その後ろで私は、スープとパンに始まり、なんとなくデザートを食べた後、もう一回肉が食いたくなってあわてて取りに行き、最後にもう一回スープ飲んだろ!と舞い戻り、ついでに腹いっぱいでもう食えもしないパンをまたぞろ持ってきちゃったりなんかして、まさに東洋の猿!
おそらく猿の行動が気になるのでしょう。なにしろ唯一の日本人カップル、いや唯一の東洋人カップルなんですから、注目度が違います。
ジョバンニ夫妻は上品ですから大声を出すことはありませんが、ひそひそと語り合うふたりを見ていると、ときどき、、いや、しょっちゅう目が合うんです。どうやら猿の行動を観察しては、ささやくように語り合ってるようです。
きっと私の脈絡の無い食事の取り方を見ては嘆き、シンガポール仕込(住んでます)の猫背でパスタをずるずるススる姿を見ては嘆いているのでしょう。
どうして俺達は猿といっしょなんだ?と悩んでいるのかもしれません。
それでもジョバンニさんは上品です。そんなことはおくびにも出さず、相変わらずふたりだけに聞こえるような声で語り合い、
控えめに微笑みあい、音も立てずに食事をされています。
自然とこちらも徐々に感化されて、妻の前であまりに恥ずかしい姿のままでいるのも面目ないので、姿勢をただし、あくまで上品に、スープをすすり、パンを口に放り込みます。本人は上品なつもりです。
しかしここに問題が起きました。
大きな蟻です。テーブルの上を歩いてるのです。
これはやはり上品に処理しなくちゃなりません。
西洋のテーブルマナーを教わりましたが、蟻の処理は書いてありませんでした。でもナイフとフォークを上手に使うことは間違いありません。
その時私は、ふと古代エジプトでは蟻に皮膚を噛ませて、そのまま頭と胴体を切断し、そうして麻酔代わりにしたという話を思い出しました。
ええ。告白しますとそのとき私に古代エジプトの外科医が取り憑いて、なにやらトリップしていたんではないかと思うのです。
気づいたときは、蟻のくびめがけて『ギロチン!ギロチン!』と叫んでナイフを振りかざしていました。
必死に逃げる蟻に対してこっちも真剣、ちょっと夢中になっちゃいました。
叫んだと言っても、そんなに大きな声を出したわけではありません。せいぜい妻に聞こえる範囲で・・という程度です。
ふと見るとジョバンニ夫妻が私を見てるじゃないですか?それも盗み見じゃなくて、すっかりふたりして振り返ってマジマジ見てるじゃないですか。
私はもう一度叫びました。。『ギロチン!!!』
すると、どうでしょう!!それまで上品に、静かに落ち着いてお食事していたジョバンニ夫妻の顔がむずむずしだして・・・
ぐぅわぁーはっは!!!!!!!大爆笑!・・・・・・やった!受けた!
私はフランス語はできません。
でも世界はひとつ。人類はみな兄弟。心は通じるものです。
ジョバンニさんが私を人間と認めてくれてたら、の話ですが。
猿じゃないよ~。日本人だよ~。ほらジョバンニさん、あなたの持ってるデジカメも、その横にあるビデオも私たち日本人が作ったんだよ~。。フランス語だってちょっとは喋れるんだよ~。。。ホネオリゾン・クタビレモケ・・・・ね?
ええっと、何の話してるんでしたっけ?・・・モルジブ紀行でしたよね。
改めて、出直しまーす。